花火写真の撮影で拡張感度の使用がNGなのはなぜ?その理由を解説
花火系散歩屋のおーわ(@mof_mof08)です。
花火写真の撮影では露出オーバー(白飛び)を防ぐ観点からISO感度をベース感度に設定するのが一般的ですが、それでも避けられないケースが多々あります。
お使いのカメラによっては拡張感度を用いて減感できる製品もありますが、花火写真の撮影においては逆効果となってしまいます。
本記事では花火写真の撮影において拡張感度の使用がなぜNGなのかについて、ざっくりと解説していきます。
花火写真の撮影に拡張感度の使用がNGな理由
花火写真の撮影において拡張感度の使用がNGな理由はざっくり以下の2点となります。
- 露出オーバー対策にならない
- 画質が落ちるリスクが高まる
カメラの露出とは?基本的な仕組みをざっくり解説で触れていますが、ISO感度は低ければ低いほど露光量が抑えられるようになっています。
さて、そんなISO感度には常用感度と拡張感度の二種類があり、お使いのカメラによっては後者に対応しているものがあります。
常用感度の最低値はベース感度(基準感度)と呼ばれます。
例えばNikon Z 7IIの常用感度はISO64〜25600ですが、拡張感度としてISO102400相当までの増感およびISO32相当までの減感に対応しています。
ISO32相当に設定した場合、ISO64(ベース感度)に設定したときと比較して単純計算で2倍のシャッタースピードにしても、写真の見た目に大きな違いは出ない計算になります。
ところが実際に見比べていただくと、拡張感度を使って撮影した写真は「漂白剤でも使ったか?」と言わんばかりに、白色の部分が不自然に強調されているのが見て取れるかと思います。
露光量が増えるとその影響は顕著で、拡張感度で撮影した写真は白色の部分が露出オーバー気味になっている他、写真全体の色味も大きく変わってしまっています。
一方で絞りを1段分絞って同等の露光量に調整した場合、ベース感度で撮影した写真と比べて白色の部分に大きな差は見られません。
露光量が増えた場合も同様です。
拡張感度で減感すると露光量を抑えられないばかりか、写真全体の品質にも影響を及ぼしてしまう可能性が高いのです。
詳しい仕組みは定かではありませんが、カメラの仕様における拡張感度の項目は「ISO○○相当」と記載されている点から、ベース感度で撮影した写真に対して減感に相当する画像処理を施しているものと推測されます。
まとめ
本記事では花火写真の撮影に拡張感度の使用がNGな理由について解説してまいりました。
改めてざっくりまとめると、以下の通りとなります。
- 露出オーバー対策にならない
- 画質が落ちるリスクが高まる
ISO感度が低いほど露光量は抑えられますが、こと拡張感度による減感は逆効果となってしまうんだと頭の片隅に置いといていただければと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございますm(__)m